顎変形症の治療の最終段階である外科手術、いわゆる「顎変形症手術」を受けてきました。私が受けたのは上顎を切るルフォー1型骨切り術と、下顎を切るIVRO(下顎枝矢状分割術ではなく矢状分割ではない術式)を両側に行うもので、部位としては「両側の上下顎」の手術になります。
この記事では、入院当日から手術当日までの流れを、実際に体験した順にできるだけリアルに記録しています。これから入院・手術を控えている方の不安が少しでも減れば嬉しいです。なお、この体験談は複数回に分けて公開しています。術後の経過や持ち物リストは別記事にまとめていますので、あわせて読んでみてください。
顎変形症手術の入院当日:最後の入浴と食事制限
入院は14時からでした。午前中に自宅で術前最後の入浴(シャワー)を済ませて家を出ましたが、大きな荷物を持って電車移動をしたため、病院に着く頃には少し汗をかいてしまいました。汗をかいた上に電車にも乗ったので、衛生的にはもう一度シャワーを浴びたい気持ちがありましたが、入院後は入浴せずそのまま翌日の手術になりました。看護師さんいわく、これはよくあることだそうです。
入院後は外出禁止のルールがあり、買い物に出ることはできません。買いたかったティッシュは幸い院内のコンビニで手に入りましたが、お気に入りのコーラは売っていませんでした。
手術前日は21時まで飲食が自由だったので、夕食は病院食(この日はなんと天ぷらとお赤飯という豪華な内容でした。文化の日で祝日だったからのようです)に加え、コンビニで買ったシュークリームとコーラを楽しみました。
21時以降はOS-1のみ、朝6時からは絶食
21時以降は、支給されたOS-1(500ml×2本)か水・お茶しか口にしてはいけないと言われ、翌朝6時までに2本を飲み切るよう指示されました。「一気に飲まず少しずつ」とのことでしたが、夜中に定期的に起きて飲むのは現実的に難しく、結局1本を残して寝てしまい、たまたま早朝5時頃に目が覚めたタイミングで残りを一気飲みしました。朝6時以降は水分も含めて完全に絶食です。
病院のWi-Fiは当てにしない方がいい
事前に「フリーWi-Fiあり」と聞いていたので油断していましたが、繋いでも動画一本まともに見られないほど遅く、場所を変えても改善しませんでした(※これは後日、SSID・パスワード入力に加えてログイン手続きが必要だったことが原因と判明します。詳しくは術後の経過記事で触れています)。映画やアニメを見て過ごすつもりだった分、かなりの絶望感でした。幸いNintendo Switchにダウンロード済みのゲーム(『ゼルダの伝説 ティアーズ オブ ザ キングダム』)があったので、それに救われることになります。
ポイント:病院のWi-Fiは「繋がる」ことと「快適に使える」ことは別物です。事前にログイン手順まで確認しておくか、モバイルWi-Fiやポケット通信を用意しておくと安心です。
手術当日:手術室に入るまで
手術当日は、圧の強い弾性ストッキングのようなものを履き、手術着に着替えて、呼ばれるのをベッドで待ちます。手術中の荷物の盗難が心配だったので、貴重品は備え付けの鍵付きロッカーに入れたうえ、スーツケースにも施錠し、チェーンでテレビ台に括りつけておきました。
手術直前には、取り違え防止のため自分の名前と手術部位を何度も確認されます。私の場合は「両側の上下顎」でした。手術室はいくつも並んで番号が振られており、周囲では多くの医療スタッフが慌ただしく動いていて、災害時にも耐えられるよう金属で頑丈に守られた空間になっていました。
全身麻酔から目覚めるまで
手術室でベッドに寝かされると、プチプチのような空気の入った暖かい掛け布団のようなものをかけられ、両腕に点滴の針を刺されました。左腕から麻酔が入り、全身がだるくなるような感覚を覚えた次の瞬間には、名前を呼ばれて手術が終わり、ベッドで運ばれているところでした。目覚める瞬間、何か夢を見ていたような気もします。
手術は11:30〜17:30の約6時間かかったそうです。てっきり術後はICU(集中治療室)に運ばれると思っていましたが、実際にはそのまま病室に戻りました。
手術直後、一番つらかったのは「管」
手術直後、顎そのものの痛みはさほど気になりませんでした。それよりつらかったのは、長時間同じ姿勢で寝ていたことによる腰の痛みと、体に入った複数の管(ドレーン・尿道カテーテル)の不快感です。
麻酔が切れた直後は震えるほどの寒気を感じ、電気毛布をかけてもらいました。ただこれは麻酔の影響による感覚であって室温自体は寒くなかったため、電気毛布のせいで今度は汗が出るほど暑くなり、手術着がびっしょり濡れてしまいました。この寒暖差もなかなかつらいものでした。
腰の痛みは寝返りを打てば楽になるのですが、動くたびに尿道カテーテルが尿道に触れて不快感が走るため、体感としては尿道カテーテルが一番つらい存在でした。
日中6時間眠っていたので、術後の夜は寝付けないだろうと予想していましたが、意外にもしっかり眠れました。つらいときは眠るのが一番だと実感した瞬間です。
病室に戻って落ち着くと、比較的早い段階でスマートフォンを返してもらえました。全身麻酔中は自発呼吸が止まるため、通常は口から人工呼吸の管を入れますが、口の手術だったため今回は鼻から挿入されたとのこと。そのため鼻の中が傷つき出血し、血が固まって鼻が詰まり気味になっていました。加えて上下の歯がしっかり固定されて口が開かず、口内に溜まった唾液もうまく飲み込めず、吸い出すこともできないため、唾液で溺れそうな感覚があったのが正直かなり苦しかったです。
意識自体はかなりはっきりしていて、職場の同僚からのチャットを確認する余裕もありました。体に何本も管が入っていることが何より不快でしたが、先生から「明日には全部抜きます」と言われて少し安心できました。口が開かないため吐き気が一番のリスクだと聞いていましたが、幸い吐き気は出ませんでした。

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